原子力関連機関で大事故が万一起こると、放射性物質であるヨウ素131が大気中に拡散する危険があります。放射性ヨウ素131は甲状腺に取り込まれ、様々な甲状腺障害(甲状腺機能低下症、甲状腺ガン)を引き起こします。
もし、原子力発電所や原子力潜水艦の事故で、放射性ヨウ素(ヨウ素131)が空気中に放出されると、通常のヨウ素(非放射性ヨウ素)のかわりに、その放射性ヨウ素が体内に取り込まれ、甲状腺(のどの辺り)に蓄積し障害を引き起こします。そこで、放射能を持たないヨウ素を前もって摂取しておくと甲状腺に放射性ヨウ素(ヨウ素131)が取り込まれず、甲状腺機能低下症、甲状腺腫、甲状腺がんなどの放射線障害を予防することができます。
甲状腺被曝を阻止できる確率は事故後1時間以内服用で85%、3時間後で50%となります。そして、24時間以降であればその効果は約7%となることが報告されており、事故後一刻も早く服用する必要があります。いざという時のために、家庭に常備しておくのが一番安心です。
効果は少なくとも1日は持続しますから、原子力防災の場合は1回の服用で充分です。なお、市販のうがい薬や昆布を多食しても期待する効果は充分得られません。そして、ヨウ素剤はあくまで甲状腺への影響を減らすものですので、その他のがんなどのリスクを減らすものではありません。
【参考出典:原子力安全委員会】 |